見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

漫画

久保ミツロウ「アゲイン!!」1〜4巻

1巻はすでに読んでいたのだが、内容を忘れかけていたので4巻までまとめて読んだ。3巻まではかなり、定番的な展開だった。 タイムスリップで内向的な少年が高校再デビューを果たすという感じなのだろうか。 そこに少年マガジンの伝統的熱血要素を注入する…

尾田栄一郎「ONE PIECE」61〜66巻

この漫画はある程度まとまったところでツタヤでまとめて借りて読んでいる。 今回読んだのは“頂上戦争編”が終わって、物語全体の折り返し点を過ぎ、“魚人島編”の部分。“頂上戦争編”で60巻続いた物語のピークにいったん達したので、後は1周するまで最大のピー…

小玉ユキ「坂道のアポロン」1〜9巻

これは好みの漫画なのではと思い読んでみた。 アニメは未見である。作品の持つ輝きと瑞々しさに魅了されてしまった。 ちょっとないくらいに。作品の魅力については追って考えてみることにする。 そういうことを考えるより、読んだ後の余韻を楽しみたい気分に…

吉田秋生「海街diary」1〜4巻

以前、3巻まで読んでいた。4巻まで出ていたのは知っていた。 また読みたくなったので、まとめて再び4巻まで読んだ。大まかなストーリーしか覚えていなかったので、初めて読んだ気分だった。久々に読んで、漫画を読むことの喜びを満喫した。 この作品はスト…

小山宙哉「宇宙兄弟」16巻

宇宙兄弟(16) (モーニング KC)作者: 小山宙哉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/22メディア: コミック購入: 6人 クリック: 150回この商品を含むブログ (46件) を見る15巻はパニック障害となった日々人のロシアでのリハビリ生活と現役宇宙飛行士からの“…

柳沢きみお「マンガの方法論 おれ流  柳沢的マンガの創り方」

マンガの方法論1 おれ流 (コミック)作者: 柳沢きみお出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/12/17メディア: コミック購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る先月、漫画家・柳沢きみお初のエッセイ集「なんだかなァ人生」を読んだ…

萩尾望都「マンガのあなた SFのわたし」

マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都・対談集 1970年代編作者: 萩尾望都出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/02/21メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 137回この商品を含むブログを見るサブタイトルは「萩尾望都 対談集 1970年代編」。 '70年代編の…

村上もとか「終わりなき旅 僕はマンガをこう創ってきた」

終わりなき旅 僕はマンガをこう創ってきた作者: 村上もとか出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2011/06/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る「六三四の剣」「龍−RON−」「JIN−仁−」などで知られる漫画家…

岩見吉朗「マンガの方法論 マンガ原作発見伝 その知られざる現場のすべて」

マンガの方法論 マンガ原作発見伝 (コミック)作者: 岩見吉朗出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2011/06/17メディア: コミック クリック: 1回この商品を含むブログを見る著者はロック雑誌「ロッキング・オン」編集部出身のフリーライターだった岩見吉朗。…

諫山創「進撃の巨人」

奇怪な漫画だ。 ルネサンス期の画家、ヒエロニムス・ボスの描いた絵のような世界がある。作家は'86年生まれの25歳。 ウィキペディアを見ると尊敬している漫画家の名前が書かれているが、私は2000年から漫画雑誌を読まなくなったので名前を見ても全然ピンと来…

小山宙哉「宇宙兄弟」5〜15巻

http://d.hatena.ne.jp/allenda48/20111128/1322462089 からの続き。 相変わらず気分よく読み進めることのできる漫画だと感心。嫌な奴、卑劣な人間は登場せず、暴力もない世界が展開。 宇宙飛行士選抜試験の際の溝口、訓練教官のビンス、六太がヘディングし…

郷田マモラ「モリのアサガオ 新人刑務官と或る死刑囚の物語」1〜7巻

モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (1) (ACTION COMICS)作者: 郷田マモラ出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2004/12/06メディア: コミック購入: 2人 クリック: 85回この商品を含むブログ (77件) を見る2007年度の文化庁メディア芸術祭 マンガ部門の…

よしながふみ「愛すべき娘たち」

1組の母娘を軸に、その周辺のさまざまな人間関係における“愛”がつづられる連作短編集。 '02〜'03年に発表されたものだ。 '97〜'98年に発表された「こどもの体温」では父と息子を軸に周辺の人間関係がつづられたが、それと対を成すような家族ものの作品集と…

よしながふみ「愛がなくても喰ってゆけます。」

漫画家・よしながふみによるコミック・エッセイ。 いわゆるグルメ・エッセイと思って読んだ。よしながを投影したキャラクター“YながFみ”が、都内各地の料理店を巡るという趣向になっている。 そしてYながの相方となるのが、同居人でいながら恋愛関係・肉…

小山宙哉「宇宙兄弟」1〜4巻

いい意味でなんのストレスもなく読み進めることができる漫画。 ページあたりの情報量は少なく、語り口も非常に平易でわかりやすく、それでいて心をつかむものがある。 疲れているときにふっと読んで、ストーリーに没入、読み終えたあとはそれなりにいい気分…

久保ミツロウ「モテキ4.5」+「アゲイン」

「モテキ」の番外編。 登場キャラクター、中柴いつかを主人公とした漫画「モテキ ガールズサイド」に作者対談などで構成した“モテキ本”。 ドラマが評判となり、映画化ということで出版されたのだろうか。全4巻の漫画なにの、このような別冊が出たということ…

久保ミツロウ「モテキ」

4巻まとめて読んだ。 面白い。だが、物語の世界にはあまり入る込むことはできなかった。 描かれる世界観が何か腑に落ちなかったのだ。 主人公が自分とは年齢が違うというのはあるのだが、それだけではないように思えた。 年齢が離れていても感情移入できる…

よしながふみ「こどもの体温」

'97〜'98年に描かれた連作短編をまとめたもの。2人で暮らす父と子の家族を軸に、彼らの周辺の人物模様がつづられる。 それぞれの登場人物同士の関係性、その変化を繊細なタッチで描いている。どうやら、よしながふみという人は人間同士の微妙な関係性を描く…

真鍋昌平の漫画「スマグラー」と映画「スマグラー おまえの未来を運べ」

映画「スマグラー お前の未来を運べ」を見たので、原作の漫画を読んでみた。 「闇金ウシジマくん」の真鍋昌平が新人の頃、2000年に描いたものだ。 今回読んだのは映画化に合わせて出版された特別読み切りを掲載した新装版だった。 ちょっとした前日譚的な短…

よしながふみ「きのう何食べた?」

まとめて5巻まで読んだ。よしながふみが主要テーマとしている“同性愛”“食”“法律家”の3つのアイテムを軸に、中年ゲイカップルの日常を描いた作品。とはいえ、青年誌の「モーニング」に月イチで掲載されているものなので、性愛の描写はまったくない。 人間関…

よしながふみ対談集「あのひととここだけのおしゃべり」

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり作者: よしながふみ出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2007/10/04メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 339回この商品を含むブログ (264件) を見る「大奥」「西洋骨董洋菓子店」などを読み、よしながふみ…

よしながふみ「西洋骨董洋菓子店」

約10年前に連載されていたコミック。 「大奥」を読み、興味深く思っていたので“代表作”とされるらしいこの作品を読んでみた。非常に面白かった。 “誰がどうしてどうなる”的な、ストーリー的展開の妙で読ませるものではなく、 キャラクターと作品世界の魅力で…

羽海野チカ「3月のライオン」第6巻

第5巻の最後に描かれた「ひなの中学校でのいじめと、ひなの言葉で救われたという零の関係」 が6巻でどうなっていくのかが気になっていた。ひなのいじめのエピソードは、零の棋士としての成長とは別の流れにある話と思っていた。 ところが、意外な展開だっ…

石塚真一「岳」 1、2巻

私の場合、山の漫画で印象に残ったものというと 村上もとか「岳人(クライマー)列伝」、塀内夏子の「おれたちの頂」に始まる山岳漫画があるが、 これらの漫画にある、登場人物の極限状況での激しい感情のうねりと比べると 淡々と物語が進む内容である。 ただ…

狩撫麻礼・作/嶺岸信明・画「オールドボーイ ルーズ戦記」4〜8

中盤から物語を推進させるモチベーションが薄れてきた。 作者が意図したのかはわからないが、 劇中で語られる“不毛なゲーム”を読んでいる印象が強くなる。 帰りの電車ですべて読んだら、更新する。 読み終えて→うーん、腰砕けという感じだった。 考えてみた…

狩撫麻礼・作/嶺岸信明・画「オールドボーイ ルーズ戦記」1〜4

10数年前まではよく読んでいた狩撫麻礼原作の漫画。 特に谷口ジロー・画の作品は何度も読んだ。 諸事情もあり漫画を読むことが少なくなり 今回は「タコポン」以来の狩撫麻礼原作漫画のような気がする。 理由は知らないが、土屋ガロン名義となっている。 この…

よしながふみ「大奥2」「大奥3」

羽海野チカ「3月のライオン」第5巻

零の過去と、ひなの現在のいじめについて描いた 「てんとう虫の木」にむちゃくちゃ感動した。 全体のストーリーからすると唐突なエピソードではあるのだが…… (→この後のストーリーに大いに関わってくるものでした。読み違えていた) 作者の中で何かこみあげて…